厳寒のスウェーデンで、Mの限界域を体感する。[Report] BMW M ICE PLUS TRAINING IN SWEDEN 2024

厳寒のスウェーデンで、Mの限界域を体感する。

[Report] BMW M ICE PLUS TRAINING IN SWEDEN 2024

厳寒のスウェーデンで、Mの限界域を体感する。[Report] BMW M ICE PLUS TRAINING IN SWEDEN 2024

2024年2月9日(金)〜11日(日)にかけ、スウェーデン北部のアリエプローグに設置された氷上の専用コースで、BMW Driving Experience主催による『BMW M Ice Plus Training』が開催された。雪道や路面凍結時のコントロール(雪上でのオーバーステアやドリフト走行など)を学ぶことを目的としたこのプログラムを、今回日本からは8名が受講。ツアーに帯同し、現地でのインストラクターも務めた菰田潔氏によるレポートをお届けする。

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Day 1

Day 1

ミュンヘン空港隣接のホテルで朝食を摂り、一路北極圏に近いスウェーデン アルヴィツヤウル空港へ飛ぶ。そこからは大型バスで、アリエプローグのBMWウインター・テスト・コースへ直行。到着すると、そこはどこまでも広がる一面の銀世界。体感したことのない寒さと桁違いの広大さに圧倒されつつ、いよいよトレーニングの幕が開く。

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スパイク・タイヤ

ガレージの前へ向かうと、そこに用意されていたのはスパイク・タイヤを履いたM2 クーペとM3 Competition。インストラクターからは「Go」の指示。到着していきなりコースへ出ることに面食らった参加者もいたようだが、外気温は既に-30℃。各自が速やかにクルマへ乗り込み、コースへと出てゆく。
 

この日は主にブレーキングのトレーニングが行われた。タイヤには日本では見かけることのないスパイクが打ち込まれているが、Mのパワーはそのグリップを凌駕。容易にリヤが滑り出すため、参加者はクルマをコントロールすることに神経を集中させながら、雪上での運転感覚をつかんでいった。

座学、食事の様子

初日の走行を終え、一路ホテルへ。コース上でのドライブの感覚が残っているうちに、座学講習を行う。ドライビング・ポジションやステアリング操作などの基礎的な内容から、滑りやすい路面でどうクルマをコントロールするべきか、というテーマへ。前後のタイヤのグリップをどう使うべきか、なぜそのトレーニングを敢えて氷上で行うのかなど、具体的な内容を紐解いていく。
 

明日以降のトレーニングに向けて、そして修了後の自らのスキルアップのために、参加者たちもその説明に熱心に聞き入っていた。

Day 2

特殊ガードバンパーを装備したBMW M2 Coupé

この日は朝から夕方まで、みっちりと走り込むプログラムが組まれている。

“スキッド・パッド”と呼ばれる円形のコースが1台につき1レーン用意され、参加者は極力アンダーステアを出さないようにコースを周回。その感覚に慣れてきたらオーバーステアを意識しながら、コントロールされたドリフト走行へと進んでゆく。
 

2つの“スキッド・パッド”を組み合わせてオーバルに走ったり、8の字コースをひょうたん型に走ったり、4つ葉のクローバー型コースにも挑戦。ドリフト状態からの切り返しなど、ステップを踏んで挙動の限界域を感覚に刻み込んでいった。

Day 3

M4 CSをベースにしたICE RACER

3日目は、1周に5分を要する長いハンドリング・コースでのトレーニング。ハイスピードなスラロームやタイトなコーナーなど、より難度の高いトレーニングをこなす。しかしどの参加者も、愉しみながらコースを攻略できるまでにスキルは磨かれているようだ。

 

この日、トレーニングの合間にコースへと現れたのは、M4 CSをベースにしたその名も“ICE RACER”。インストラクターのドライブによる同乗走行が行われ、WRC(世界ラリー選手権)用のスパイク・タイヤでの雪上とは思えぬコーナリング・スピードに、みな一様に驚嘆の声を挙げていた。

 

そして迎えたラスト・ラン。己の成果を確かめるかのように、参加者たちは次々と雪上でのドリフトを決めてゆく。その姿はまさに「駆けぬける歓び」そのものであった。

トレーニングカー

BMW M2 Coupé

BMW M2 Coupé

コンパクトなサイズに強大なパフォーマンスを秘めた、究極のピュア・スポーツ。限りなくダイレクトなレスポンスが、走りへの情熱に火を灯す。

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BMW M3 Competition

BMW M3 Competition

雄々しく咆哮する、直列6気筒のM ツインパワー・ターボ・エンジン。サーキット直結のテクノロジーが惜しげもなく注ぎ込まれた、スポーツ・セダンの到達点。

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おわりに

おわりに

日本では体験できないハイスピードで、氷上を走行できるこのプログラム。その目的は、どういう運転をすれば滑るか、滑らないためにはどのようにすれば良いのか、というクルマの限界領域を安全に体験することにある。その貴重な体験により磨かれた感覚は、季節を問わず一般道での運転にも役立つはずだ。

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菰田 潔氏

Reported by 菰田 潔

モーター・ジャーナリスト。日本において「BMW Driving Experience」が開講された1989年以来、同講座のチーフ・インストラクターを務める。

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