“人生に、駆けぬける歓びを。”のコンセプトのもと、日本独自で展開されるプロジェクト「BMW BELIEVES」。今回はブランド・フレンドでもあるピアニスト・反田恭平氏プロデュースによるJapan National Orchestra(ジャパン・ナショナル・オーケストラ)から、4名のチェリストをブランド・ストア『FREUDE by BMW』にお迎えしました。チェロ・カルテットによる、麗しく華やかな旋律。クリスマス・イブの夜を鮮やかに彩ったコンサートの模様をレポートいたします。
BMW BELIEVES
その歓びは、いつだって新しい。
BMWは長きにわたり、芸術および文化振興のためのさまざまな活動に積極的に取り組んできました。これまで実現したプロジェクトの数は全世界で優に100を超え、多様なパートナーとのコラボレーションが生むユニークな体験や出会いによって、交流、革新、創造の新たな機会をもたらしてきたのです。
「音楽」「アート」のカテゴリーにおいては、単発的なイベント開催にとどまらず、より長期的な視点での文化振興のサポートを行うべく、汎用性、展開性の高いプロジェクトのフォーマットをパートナーとともに構築・提供しています。
光満ちる季節。心躍るひとときへ。
冬の澄んだ空気に、街の煌めきが映えるころ。2025年12月24日(水)、クリスマス・マーケットの盛り上がりがピークを迎えていた麻布台ヒルズの一角に、期待を胸に集う人々の姿がありました。イブの今宵、ブランド・ストア『FREUDE by BMW』にて特別なクリスマス・コンサートが行われました。ストア・スタッフがハンドベルの演奏でお客様を出迎えます。
午後7時。司会からの挨拶でコンサートはスタート。まずは「BMW BELIEVES」の概要とともに、ステージを見守るように展示されているBMW XM Label Frozen-Style Editionについてご説明を。BMW Mが誇るハイパフォーマンスSUVにBMW Individual フローズン・ペイントを施した、存在感際立つリミテッド・モデル。開演前から間近で見入られる方も多かった一台が、この特別な舞台を彩ります。
聖なる夜が、より特別な一夜となる。
そしていよいよ、水野優也さん、森田啓介さん、香月麗さん、佐々木賢二さんの4名によるJNOチェロ・カルテットが登場。それぞれが位置に着くと、まずはおなじみのクリスマス・ソング『ジングル・ベル(Jingle Bells)』から。誰もが知る一曲ながら、チェロのみで奏でられるそのメロディは軽快かつ奥行があり、聴く者に新鮮な印象を届けます。観客の誰もが、ぐいぐいとステージへと惹き込まれてゆきます。
初曲の演奏を終え、来場いただいた観客の皆様へカルテットからのご挨拶。ヴァイオリン属のなかでもサイズが大きく、人ひとり分ほどのスペースを占有するチェロ。オーケストラのリハーサルやツアーの際、乗っているBMWなら余裕をもって載せられると、佐々木さんからはチェリストならではの観点での嬉しいコメントも。さらに続けて「今回のコンサートでは、JNOチェロ・カルテットとして先日リリースしたクリスマス・アルバム「Carol of the Cellos」の収録曲を中心に、チェロの醍醐味を堪能いただける構成としました」と、本日のプログラムについて説明いただきました。
美しく豊かな音に、どこまでも包み込まれる至福。
4人がスタンバイを終え、披露されたのは『It's Beginning to Look a Lot Like Christmas』。未だサンクスギビングの余韻が残るアメリカの街、その装いがクリスマス・モードへと変わってゆく。そんな古き良き時代の風景を思わせる一曲です。そしておだやかさに包まれ、教会に佇んでいるかのような感覚をもたらすバッハの『主よ、人の望みの喜びよ』。どちらも演奏後に、観客から大きな拍手が贈られます。
次なる曲はイギリスの讃美歌である『牧人ひつじを(The First Noel)』。この曲については、「実はさきほど、(開場時の)ハンドベルでも演奏されていた曲ですが、そちらはハ長調という開放した調でした。この後はニ長調といってさらに優しい雰囲気で演奏します。その雰囲気を感じていただければ」と、森田さんが実際にチェロを弾いて長調の違いを解説。そのとおりの優美な調べに、観客は身を委ねるように、じっくりと聞き入ります。
演奏後の拍手がおさまると、続いて演奏する『ウィンター・ワンダーランド(Winter Wonderland)』の編曲を担当した水野さんがマイクを持ちます。「平穏な冬の日常を描いたこの作品では、チェロの豊かな音のみならず技巧的な華やぎをも意識してアレンジしました」と、その狙いを明かしてくれました。
耳慣れた曲に、チェロが新たな表情を与えてゆく。
曲名は知らずとも聴いたことがある『ウィンター・ワンダーランド(Winter Wonderland)』。演奏が始まると「あ、この曲か!」という表情をされる方も見受けられます。チェロ・カルテット用のアレンジによって愉しげな雰囲気はそのままながら、より豊かで叙情的なメロディへと昇華された同曲。誰もがゆったりと、そのメロディに浸っています。
続けて演奏されたのは、ウクライナ民謡を元に編曲された『キャロル・オブ・ザ・ベル(Varol of the Bells)』。これまでの曲とは異なり、広く厳粛な空間における響きを感じさせます。クリスマス・ソングとして歌われることが多いこの曲に、4人の息を揃えた演奏によって妖婉な表情が与えられます。
香月さんによって改めて一人ひとりのメンバーが紹介されたのち、フランスで作られた讃歌である『荒野〔あれの〕の果てに(Angels We Have Heard on High)』が奏でられます。現在パリに留学中である香月さんが編曲したその調べはあたたかく、会場全体がまるで美しい光で包み込まれるようです。
4つの個性が融合し昇華する、カルテットの醍醐味。
そして、ここまでに演奏した曲とは異なる趣向の作品として紹介されたのは、バンドネオン奏者であるピアソラの『アディオス・ノニーノ(Adiós Nonino)』。失意のなかで亡き父に捧げられた作品ながら、タンゴの情感と躍動を心地よく感じられる一曲です。これまでとのコントラストを感じながら、少し弾けた演奏を味わってほしい、と森田さん。ピアソラの故郷であるアルゼンチンのクリスマスは夏。その情景を、技巧あふれる音で見事に描き出しました。
ふたたび水野さんがマイクを握り、今回のカルテットについて語ります。「チェロは低音から高音まで幅広い音色を持つので、今日のような(チェロのみの)構成が可能で、それがまたこの楽器の魅力だと思います。とはいえ、最初からチェロ4台のために書かれた曲というものはなかなかないのですが、次にお贈りする『アヴェ・マリア(Ave Maria for Four Cellos)』はその数少ないうちのひとつです。作曲したフィッツェンハーゲン自身もチェリストであったので、楽器の魅力が良く引き出されていると思います」
少しの静寂の後に聴こえてきたのは、なんとも心地よい優雅なる調べ。4台それぞれの旋律が調和し合いながら融合し、ひとつの歓喜を呼び起こすように。チェロを熟知していたフィッツェンハーゲンの感性がこの場に立ち現れていくようです。
麗しい時を共有する、かけがえのない歓びを。
いよいよ、コンサートも大詰め。ラストを飾るのは『そりすべり(Sleigh Ride)』です。クリスマスには欠かせないこの曲も、JNOチェロ・カルテットの手に掛かると賑やかな雰囲気はそのままに溌剌さと弦楽の趣が加わり、クリスマスを迎える心からのワクワクがあふれます。
終演後、会場からの拍手が鳴り止むことはありません。その喝采に応え、急遽のアンコール。選ばれたのは、1944年のミュージカル映画「若草の頃」でジュディ・ガーランドが歌った『Have Yourself a Merry Little Christmas』。情緒にあふれた旋律のなか、美しい余韻をもって、JNOチェロ・カルテットによるクリスマス・コンサートは幕を閉じました。
最後に、ささやかなサプライズを。BMWが協賛する「麻布台ヒルズ クリスマスマーケット2025」のオリジナル・マグカップに『FREUDE by BMW』スタッフ手書きのクリスマスカードを添えて、ご来場いただいたお客様にプレゼントさせていただきました。
終演後には、BMW XM Label Frozen-Style Editionやさまざまなオーナメントを纏ったクリスマス・ツリーと思い思いに写真を撮られる方や、「今日はありがとう」「本当に良い夜になりました」と嬉しいお言葉を掛けていただく方も。誰もが充足感にあふれた笑顔で、会場を後にされていました。
BMW Japanでは「BMW BELIEVES」プロジェクトのもと、クラシック音楽をはじめとした文化振興のために、今まで以上のさまざまな支援活動に取り組んでゆきます。
◼️出演者プロフィール
水野優也
第76回プラハの春国際音楽コンクール・チェロ部門にてアジア人初の優勝と4つの特別賞を受賞。第89回日本音楽コンクール第1位、第13回東京音楽コンクール第1位、2024年エンリコ・マイナルディコンクール第1位など、他多数受賞。倉田澄子、ミクローシュ・ペレーニ、クレメンス・ハーゲンの各氏に師事。2023年CDデビュー。使用楽器は、1710年製 PIETRO GIACOMO ROGERI (公益財団法人サントリー芸術財団)、弓はF.TOURTE(住野泰士コレクション)を、それぞれ貸与されている。
森田啓介
日本音楽コンクール第1位、ルーマニア国際音楽コンクール・グランプリ、国際チェロコンクール「エマニュエル・フォイアマン大賞」特別賞、全ドイツ音楽大学コンクール・アーノルド財団賞、青山音楽賞新人賞、日本ショパン協会賞。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース、ザール音楽大学をそれぞれ首席で卒業後、ハノーファー音楽大学大学院を経て、現在はリューベック音楽大学国家演奏家資格課程に在籍。関西ゆかりの楽師の家系で、篳篥奏者の東儀俊慰(としやす)を高祖父に持つ。京都市交響楽団特別首席チェロ奏者。(公財)明治安田クオリティオブライフ文化財団海外音楽研修生。
香月麗
桐朋女子高等学校を経て、ソリスト・ディプロマコース在学中に第86回日本音楽コンクールチェロ部門第 1 位、あわせて、徳永賞、E.ナカミチ賞受賞。Les Moments Musicaux du Tarn コンクール部門「Tremplin jeunes talents」審査員賞受賞(フランス)。2023年に紀尾井ホールにてリサイタルデビューを飾る。パリ国立高等音楽院第2課程卒業。チェロを故久保田顕、倉田澄子、グザヴィエ・フィリップ、エマニュエル・ベルトラン各氏に師事。室内楽を上田晴子、ルイ・ロッド各氏に師事。
Japan National Orchestra コアメンバー。
佐々木賢ニ
16歳で単身渡米。インターロッケン芸術高校、イーストマン音楽院を経てクリーヴランド音楽院修士課程修了。スズキ・メソード全巻指導資格を取得。ヨーヨー・マ、ダニール・トリフォノフと共演。ムーティ、スラットキンの指揮で首席奏者として演奏。ファイアーランドシンフォニー、シビックオーケストラ・オブ・シカゴの首席奏者を歴任。NHK-FMリサイタルパッシオ出演。兵庫芸術文化センター管弦楽団アフィリエイトプレーヤー、Japan National Orchestraコアメンバー。2025年4月より京都市立芸術大学非常勤講師。