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BMW グループ、2020 年の見通しを確認 - 第 3 四半期の業績は大きく改善
BMW AG 取締役会会長オリバー・ツィプセ:「第 3 四半期の業績はBMW グループの営業力を強調している」
BMW AG 財務担当取締役ニコラス・ペーター:「当社は熾烈なコスト競争に晒されている」
第 3 四半期の税引前利益は約 25 億ユーロに上昇
第 3 四半期の売上利益率は 9.4%
第 3 四半期のフリー・キャッシュ・フローは 30 億ユーロ超
自動車部門の EBIT マージンは、3 四半期累計で 2020 年の目標範囲内に収まる
2022 年までにドイツの全工場で電気駆動モデルを生産
ミュンヘン発:
BMW グループは、2020 年第 3 四半期、販売台数および純利益を増加させ、9 月時点で通年目標の達成に向けて軌道に乗っている。第 3 四半期に、一部の地域ではあるものの需要の回復に加え、魅力的なモデル・ラインアップによって利益を得ることができた。地域ごとに異なる新型コロナウイルスの影響に可能な限り対応するためには、引き続きコスト効率と資金管理が重要な要素となっている。
「第 3 四半期の業績は、BMW グループの事業運営の強さと厳しい環境下での業績向上能力の高さをはっきりと示しています。グループ収益は前年同期比で改善しており、通期の目標達成に向けて確実に軌道に乗っています。私たちは、地域ごとの需要の変動を考慮しながら日々の業務を綿密に管理しており、いつでも市場の状況変化に対応することができます。」と、BMW AG 取締役会会長のオリバー・ツィプセは述べている。同グループは第 3 四半期に 25 億ユーロの税引前利益を計上した。また自動車部門のフリー・キャッシュ・フローは 30 億ユーロを超えた。ツィプセはさらに、「私たちは、この業界における変革を積極的に推進しており、今後数年間に向けて極めて良いポジションに立っています。同時に、2025 年以降に向けてすでに戦略的に、また技術的に取り組んでおり、これには車両アーキテクチャーや工場別車両生産計画といった重要な側面も含まれています。」と述べた。
将来に向けた投資がイノベーション・リーダーシップの鍵
極めて厳しい市場環境にもかかわらず、BMW グループは先進技術に対する投資を継続し、それに応じた専門知識の開発を行っている。既に発表した通り、BMW グループはイノベーション面での優位性を高めることを目的として、2025 年までに 300 億ユーロを超える投資を研究開発に対して行う予定である。
1 月から 9 月までの BMW グループの研究開発費は合計 41 億 4,000 万ユーロ(2019 年:42 億 4,700 万ユーロ、前年比 2.5%減)となっており、高い水準を維持している。この中には、将来の電気駆動モデルや電気駆動モデル用モジュラー・キットの研究開発費も含まれている。有形固定資産およびその他の無形資産に対する設備投資は、明確な優先順位をつけて極めて集中的に実施し続けている。9 月までの 9 か月間で合計23 億 7,500 万ユーロ(2019 年:33 億 800 万ユーロ、28.2%減)を投資した。
「当グループの財務管理戦略は、高い収益性と厳格なコスト管理に焦点を当てています。強固な基盤の上に当グループの将来に向けた投資を継続し、自己資金によって変革に向けた資金を調達しています。」BMW AG 財務担当取締役のニコラス・ペーターは、このように述べ、さらに「例えば 2016 年に決定したアッパー・ラグジュアリー・セグメントへの戦略的集中の恩恵を受けています。魅力的な BMW 8 シリーズ・モデルやBMW X7 の導入により、2018 年以降、収益性の高いモデルの販売台数を 70%以上増加させることができました。コスト面では、短期的にも長期的にも、この厳しい環境に晒された中で、グループを軌道に乗せることを目標に数々の取り組みによって効率性を高めています。」と続けた。
2022 年までにドイツの全工場で電気駆動モデルを生産
BMW グループは、エレクトロモビリティの増産を加速し続けている。近い将来、ドイツの 4 つの自動車工場すべてで純電気自動車(ピュア EV)を生産する予定である。2013 年からライプツィヒで生産されている BMW i3*に続き、2021 年からはディンゴルフィンで BMW iNEXT を、ミュンヘンで BMW i4 を生産する。さらに、2022 年にはレーゲンスブルク工場でもオール・エレクトリック・モデルの生産が開始される。この戦略により、BMW グループは長期的に生産能力を確保し、ドイツ国内の工場の雇用を高水準で確保することが可能となる。
BMW グループはまた、電動ドライブトレイン・コンポーネントも増産している。2022 年以降、ディンゴルフィン工場では、年間最大 50 万台分の電気駆動モデル用電気モーターを生産する能力を持つことになる。バッテリー・モジュールと高電圧バッテリーは、同グループのライプツィヒ工場とレーゲンスブルク工場で生産され、増え続ける電気駆動モデル用に供給される。同時に、構造効率の改善と生産稼働率のさらなる最適化を図り、5 年後を目途に 500 万ユーロ程度のコスト削減を計画している。
数百万台の電気駆動車が CO2 削減を実現
BMW グループにとって第二の戦略的重点目標は持続可能性である。新型コロナウイルスが大流行している間も、経営陣は野心的な長期目標を掲げてきた。何よりもまず、BMW グループは 2030 年までに、初めて、製品のライフサイクル全体にわたり、つまりサプライ・チェーンや生産プロセス、さらに各車両の耐用期間の終わりまでを網羅するすべての段階で、CO2 排出量を削減するという明確な目標を掲げている。そのため 2030 年までの全期間において、車両 1 台あたりの CO2 排出量を 2019 年比で 3 分の 1 超の削減を実現する。
例えば、BMW グループの車両が耐用年数内に排出する CO2 は 1km 走行あたり 40%削減されることになる。この目標を達成するための鍵となるのは、エレクトロモビリティの利用を大々的に推進する広範な製品戦略である。BMW グループは、今後 10 年間に全世界で 700 万台以上の電気駆動車を販売することを計画しており、そのうち 3 分の 2 は純電気自動車(ピュア EV)となる。
BMW グループは、すでに電動車製造におけるリーディング・カンパニーであり、2021 年末までに BMW i3*、MINI Cooper SE*、BMW iX3*、BMW iNEXT、BMW i4 の 5 つのピュア EV を量産化する予定である。次世代 BMW 7 シリーズはさらなる重要な節目を迎えることになる。この BMW ブランドのフラッグシップ・モデルには、高効率のディーゼル・モデルとガソリン・モデル、電動化されたプラグイン・ハイブリッド・モデル、そしてモデル史上初のピュア EV という 4 種類の異なるドライブトレインを用意する。BMW グループは、2023 年までに 25 種類の電気駆動モデルを市場に投入する予定で、その 13 種類がピュア EV となる。
さらなるオール・エレクトリック・モデルの開発
BMW 7 シリーズに加え、引き続き BMW グループのモデル・ラインアップ全体の包括的電動化が行われる。「パワー・オブ・チョイス」の一環として、人気の高い BMW X1や BMW 5 シリーズにも、今後はピュア EV、プラグイン・ハイブリッド、ディーゼル・エンジン、ガソリン・エンジンの 4 種類のドライブトレインが用意される予定である。
BMW グループは、引き続き現行新型車全体の CO2 排出量の大幅削減に取り組んでおり、今年も 2020 年に欧州で登録される新車に関する CO2 排出量のフリート目標達成を目指している。その目標値は、2019 年に定められた要件を約 20%下回るものである。この目標達成に向け、モデル・ラインアップの電動化が大きく貢献する。
第 3 四半期に回復の兆し - 業績は改善
BMW グループの業績は、以前は新型コロナウイルスの大流行による影響を受けていたものが、7 月から 9 月にかけて大幅に回復した。第 3 四半期、当グループは、世界中で BMW、MINI、ロールス・ロイスの各ブランド・モデルを合計 675,592 台(2019 年:621,981 台、前年比 8.6%増)販売し、単一の四半期として過去最高を更新した。グループ収益は、262 億 8,300 万ユーロ(2019 年:266 億 6,700 万ユーロ、1.4%減)に達した。業績の改善には、中国での合弁事業 BMW ブリリアンス・オートモーティブ(BBA)が好調だったことが寄与した。これに伴い、税引前収益(EBT)は約 10%増えて 24 億 6,400 万ユーロ(2019 年:22 億 4,800 万ユーロ、9.6%増)となった。グループの税引前利益率(EBT マージン)は 9.4%(2019 年:8.4%)となった。グループ純利益は、18 億 1,500 万ユーロ(2019 年:15 億 4,600 万ユーロ、17.4%増)に達した。
今年に入ってから 9 か月間で、合計 1,638,167 台が顧客に納車され(2019 年:1,872,451台、12.5%減)、グループ収益は、695 億 800 万ユーロに減少した(2019 年:748 億 4,400 万ユーロ、7.1%減)。税引前収益は、29 億 6,200 万ユーロ(2019 年:50 億 6,300 万ユーロ、41.5%減)であった。これに伴い、グループの税引前利益率(EBT マージン)は 4.3%(2019 年:6.8%)に低下した。9 か月間のグループ純利益は、21 億 7,700 万ユーロ(2019 年:36 億 1,400 万ユーロ、39.8%減)となった。
自動車部門が大幅に回復 - EBIT マージンが改善
第 3 四半期における自動車部門の収益は、219 億 6,200 万ユーロ(2019 年:230 億 1,600 万ユーロ、4.6%減)となった。金利支払前税引前利益(EBIT)は、14 億 7,700 万ユーロ(2019 年:15 億 1,500 万ユーロ、2.5%減)となった。第 3 四半期における同部門の EBIT マージンは、前年比 6.7%(2019 年:6.6%)に改善した。
自動車部門の 9 か月間の収益は 548 億 2,900 万ユーロ(2019 年:648 億 5,300 万ユーロ、15.5%減)に落ち込んだ。同じ期間の EBIT は、1 億 5,200 万ユーロ(2019 年:26 億 7,400 万ユーロ、94.3%減)で終了した。これに伴い、EBIT マージンは 0.3%(2019 年:4.1%)となり、2020 年の目標である 0~3%の範囲内に収まった。
今年に入ってから 9 か月間で、BMW ブランドは合計 1,427,392 台(11.3%減)を販売した。また、同期間に MINI ブランドは 208,124 台(20.0%減)、ロールスロイス・モーターカーズは 2,651 台(28.5%減)を販売した。全体的に販売台数は減少したものの、電気駆動車の納車は 116,381 台(20.0%増)と過去最高を更新した。
欧州地域では、1~9 月期に BMW、MINI、ロールス・ロイスの各ブランド・モデルを合計 648,494 台(19.7%減)販売した。ドイツでの販売台数は、203,442 台(14.6%減)となった。中国では第 2 四半期に始まった回復傾向が続いており、この BMW グループで最大の市場における 9 月までの販売台数は、560,367 台(6.4%増)と過去最高を記録した。米国での販売台数は、9 月までの累計で 200,286 台(24.6%減)となった。
第 3 四半期、モーターサイクル部門は販売台数・収益ともに前年同期を上回る
BMW Motorrad は、第 3 四半期にモーターサイクルおよびマキシスクーターを 52,892 台(20.9%増)販売し、6 億 3,700 万ユーロ(2019 年:5 億 5,800 万ユーロ、14.2%増)の収益と 4,500 万ユーロ(2019 年:3,500 万ユーロ、28.6%増)の EBIT を創出した。同部門の EBIT マージンは、7.1%(2019 年:6.3%)となった。
第 1~第 3 四半期の累計では、129,599 台(5.4%減)を販売し、合計 17 億 1,600 万ユーロ(2019 年:18 億 7,100 万ユーロ、8.3%減)の収益を生み出した。この 9 か月間の EBIT は、1 億 1,000 万ユーロ(2019 年:2 億 2,600 万ユーロ、51.3%減)となり、EBIT マージンは 6.4%(2019 年:12.1%)となった。
ファイナンシャル・サービス部門は新規契約件数が増加
ファイナンシャル・サービス部門が管理するリテール顧客の契約ポートフォリオは、2020 年 9 月 30 日現在で 5,578,149 件となっている(2019 年 12 月 31 日:5,486,319 件、1.7%増)。この第 3 四半期は、リテール顧客との間で合計 538,351 件の新規契約が締結された(2019 年の新規契約:504,217 件、6.8%増)。部門収益は、77 億 9,900 万ユーロ(2019 年:74 億 7,100 万ユーロ、4.4%増)に達した。税引前利益は 4 億 5,800 万ユーロ(2019 年:5 億 9,700 万ユーロ、23.3%減)となった。
今年に入ってから 9 か月間で、合計 1,342,803 件の新規契約が締結された(2019 年:1,475,504 件、9.0%減)。収益は前年並みの 220 億 5,500 万ユーロ(2019 年:219 億 8,100 万ユーロ、0.3%増)であった。また税引前利益は、10 億 3,900 万ユーロ(2019 年:17 億 9,700 万ユーロ、42.2%減)となった。
2020 年の展望を再確認
BMW グループは、政治的にも経済的にも激動する時代にあってなお野心的な目標を掲げている。新型コロナウイルスの世界的大流行と、それに必要な封じ込め対策を考慮して、12 か月間にわたり、すべての主要市場において需要は大幅に減少するとの見通しを継続している。
その結果、2020 年には、世界中の自動車部門の出荷台数が前年を大幅に下回る可能性がある。このような状況下で BMW グループは、2020 年の同部門の EBIT マージンは0~3%の範囲内になるであろうと予想している。
ファイナンシャル・サービス部門は、主に景気の先行き不透明感によるリスク環境の不安定さが増す中、新規契約件数が減少することが見込まれる。このため、当部門の自己資本利益率は、前期比で緩やかに低下すると予想している。
モーターサイクル部門の販売台数は、前年同期比で緩やかに減少すると見込んでいる。そのため、EBIT マージンは、現時点で 3~5%の範囲内で推移すると予想している。
上記のようなさまざまな要因を考慮すると、当グループの税引前利益は 2019 年を大幅に下回る見込みである。
従業員数は、1 年前に記録されたレベルをわずかに下回る見込みである。以前発表した人事関連の施策によって、人員規模を管理してゆく。現在の状況では、すべての新規採用が厳しい審査の対象となる。
新型コロナウイルスの悪影響によるリスク・レベルは高いと評価されている。第 3 四半期、経済環境がより安定した時期を経て、新型コロナウイルスの影響は明らかに勢いを取り戻しつつある。封じ込め対策の必要性や経済的影響を考慮すると、いまだ不確実性は高いままである。新型コロナウイルスの流行がさらに深刻化し、世界経済の下振れが顕著になった場合、特に需要面でのリスクがかなり顕在化する可能性がある。BMW グループはこうした動向を注視し、迅速かつ断固とした行動をとるための準備を整えている。


BMW i3 (120 Ah): 複合モード燃費: 0 リッター/100km、複合モード電力消費:13.1kWh/100km、複合モード CO2排出量:0g/km
BMW i3s (120 Ah): 複合モード燃費: 0 リッター/100km、複合モード電力消費:14.6~14.0kWh/100km、複合モード CO2排出量:0g/km
MINI クーパーSE:複合モード燃費:0.0 リッター/100km、複合モード電力消費:16.8~14.8kWh/100km、複合モード CO2排出量:0g/km
BMW iX3: 複合モード燃費: 0 リッター/100km、複合モード電力消費:17.8~17.5kWh/100km、複合モード CO2排出量:0g/km